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元病院薬剤師の気になるお薬ブログ vol.2 (抗がん剤総論)

どうも、こんばんは🌛

今日は日曜日で市場がないので、

 

今日も薬剤師として気になるお薬シリーズ

今回は「抗がん剤」です💉

 

私は病院で、がん化学療法認定薬剤師として、

抗がん剤投与する患者さんへお薬の説明をしたり、副作用を聞き取り、対処薬や予防薬を医師に提案したり、抗がん剤の量が正しいか監査し、間違っていたら、医師に直してもらうといった業務をしていました🤔

なので、お薬の中でも一番知識がある分野です🥸

 

抗がん剤と言うと範囲が広いですね😟

総論についてお話したいと思います😊

 

抗がん剤とは

抗がん剤とは、がん細胞を死滅させ、がんを縮小したり、再発を防いだり、がん種(主に血液がん)によっては完治を目指したりするお薬です💊

抗がん剤による治療のことを一般に化学療法と言います

 

抗がん剤を使う目的

①延命:  進行・転移したがん、いわゆるステージ4のがんに対してはほぼ完治見込めないが、がんを縮小させて、生存期間を伸ばす目的で使用します

 

②再発予防:  切除可能ながんで、手術によって肉眼で確認可能ながんを取り除いた後、体内に少しだけ残っている小さながん細胞から再発してしまうのを防ぐ目的で使用します。術後補助化学療法とも言われます

 

③術前補助化学療法:  こちらは化学療法によってがん細胞を小さくすることで手術が可能になったり、もしくは手術の範囲を小さくするため、例えば乳がんで例えると、術前補助化学療法によってがん細胞を小さくすることで、本来なら乳房全摘が必要だったところを乳房温存手術にすることができるといった目的の使用です 

 

④がん完治:  これは滅多にないですが、主に血液がん(白血病など…)でがん細胞を完全に駆逐し、完治を目指す使用方法です

 

抗がん剤の種類

①殺細胞性抗がん剤:  いわゆる古典的な抗がん剤でがん細胞を死滅させるための化学物質を投与するのですが、がん細胞と人間の正常細胞には大きな違いというのはあまりないため、正常細胞にもダメージを与えてしまい、一般的に吐き気や嘔吐、脱毛、白血球減少などを引き起こしてしまいます

 

②分子標的抗がん剤:  最近メインになってきている抗がん剤で、がん細胞が増殖するのに必要な体内物質をターゲットにし、その物質の働きをブロックすることでがん細胞の増殖を抑え、縮小させます。最近、色々なターゲット物質が見つかっているので、色々な種類があります。有名なものはEGFR(上皮成長因子受容体)チロシンキナーゼ阻害薬(商品名 イレッサ)や抗HER2(ヒト上皮細胞増殖因子タイプ2)抗体製剤(商品名 ハーセプチン)などなど打数あります

がん細胞特有の分子をターゲットにしているので、殺細胞性抗がん剤であったような、吐き気、嘔吐、脱毛、白血球減少などがほとんど起こらないことが特徴てすが、特有の副作用もあります

 

③免疫療法薬:  これも厳密に言えば、分子標的薬の1種と言えますが、自分の免疫力を利用するので、分けて分類する事が多いです。

実は、がん細胞に対して人間の免疫細胞も戦ってくれてはいるのですが、がん細胞は賢く、免疫細胞からの攻撃を防ぐために、免疫細胞のブレーキをかける物質を作り出し、攻撃を逃れているのです😱

ではその物質(PD-L1など)を邪魔してあげれば、免疫細胞からの攻撃が正常に行われ、がん細胞を死滅させることができます。それが、本庶佑先生がノーベル賞をとった治療法で、免疫療法薬になります。

1番最初に開発されたのは有名な商品名 オプジーボです。現在は様々なメーカーから免疫療法薬が販売されて、色々ながん種に使われています

副作用としては自分の免疫細胞が暴走して自分の臓器を攻撃してしまう症状、甲状腺機能障害、肝障害、大腸炎などが起こることがあります

 

総論まとめ

抗がん剤治療はホントに凄まじい進歩を遂げており、20年前だったら、延命半年から1年が効果として一般的でしたが、今ではがん種にもよりますが、延命効果が3年以上も延長するような効果を出すこともあります。もちろん個体差があるので必ず効くとは言えませんが、今まであった殺細胞性抗がん剤に加え、分子標的薬、免疫療法薬が加わったことで、より副作用が少なく、より効果が期待できる治療ができるようになりました。

 

とはいえ、副作用が全く無くなると言うことは滅多にないので、抗がん剤治療を受ける際は、結構、医師には遠慮して言わない方が多いのですが、副作用などの悩みについて薬剤師や看護師に気兼ねなくご相談して頂ければ、力になれると思います😊

 

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